製氷・スラリー設備|冷やすにはカタチが大事
1. スラリーアイスとは
雪のような微細な氷(φ0.1mm程度の球状)と液が
混合した流れる氷のことです。
2. スラリーアイス凍結とは
◎液状の細かい氷で食品を包み込むように覆い、
食品を傷つけることなく、急速に凍結する方法。
◎氷は液体の60倍以上の冷熱を持っています。
スラリーアイスは、この大きな冷熱を持つ氷が
混じった液体なので、通常の液体よりも大きな
冷却能力を持っています。
アルコールを使用する理由
スラリーアイスの製造方法
スラリーアイスは、アイスジェネレータと呼ばれる機器で製造します。
アイスジェネレータには冷凍装置から低温冷媒が送り込まれており、 内部を流れるアルコール溶液を周囲から冷却して微細な氷を発生させます。
3. アルコールスラリーアイスの特徴
凍結速度が速い
【空冷式と比較した場合】
空気よりも効率よく熱を奪うため、空冷式よりも高い温度で凍結しても・・・
・最大氷結晶生成帯(品質が低下し易い温度帯)の通過速度が速くなります。
・鮪中心温度が−25℃に到達する時間はほぼ同じ。
【ブライン浸漬式と比較した場合】
液体の約66倍の冷熱を持つ氷が混合されているので、凍結初期に発生するブライン温度の上昇を防ぐことができます。
凍結時に品物が沈む
氷と液が分離しにくい
食塩ブラインや塩化カルシウムブラインはすぐに氷が上部に分離しますが、アルコールスラリーアイスは分離速度が非常に遅くなります。
4. アルコールスラリーアイス凍結品の品質(マグロの例)
凍結による肉質破損の軽減
解凍後の赤色保持効果
切身の状態で5℃24時間保管した場合の色の状態具合は
下の写真の通りで、赤色保持効果が確認されました。
ドリップ量の減少
アルコールの浸透量
(1)官能検査による確認
解凍後刺身にして25名の検査官(弊社従業員。男性21名、女性4名)に処理方法を知らせずに検査した結果、アルコール臭を検知した検査官は0名であった。
(2)浸透量測定による確認
みそやうどんには10,000ppm程度のアルコールが添加されるが殆ど味覚上の感知はできない アルコール凍結での浸透量は各部位2000ppm以下なので問題ない。