冷凍冷蔵装置|冷凍技術、細胞に届く!進化する低温の世界
二元冷凍設備とは
二元冷凍システムとは、沸点の異なる二種類の冷媒を使った装置で、それぞれの冷媒は独立した冷凍サイクルを循環し、熱交換器により結合した冷凍システムである。本システムの概略図とp-h線図は以下の通りである。
本システムは-40〜-80℃、もしくはそれ以下の温度を得る超低温を得る場合に採用される。
このような超低温では、一般に使用されている単一冷媒二段圧縮システムでは冷媒の低温特性が悪いため、非常に効率が悪いシステムとなるため、温度特性の異なる二種類の冷媒を組み合わせることにより効率アップを図るものである。
本システムは二段圧縮システムと比較して、以下の利点がある。
- @ 高温側と低温側でそれぞれ温度特性の適した冷媒を使用できるため、省エネとなる。
- A 安定した超低温運転が可能となる。
- B 運転費が安い。
- C 補修が容易となる。
二元冷凍装置に使用される冷媒は、高温側は通常使用する冷媒(R404A、アンモニア等)が用いられ、低温側にはHFC冷媒であるR23が用いられる。
地球環境に優しい新冷媒二元「くろしお」
(国内)2015年、「フロン排出抑制法」が施行。
まだ超低温装置は対象でないが、冷凍設備は2025年までにGWP1500以下
としなければならない。
(国外)・パリ協定で、日本は2020年から2030年の間でCO2排出量を26%削減
・MOP28で、先進国は、2019年から2035年末にかけて
HFC冷媒のGWP換算生産量を85%削減
ところが、
R404AのGWPは3920
R23のGWPは14800
近年、空気冷媒を使用した超低温装置が発売されているが、エネルギー効率が悪く、
消費電力が大きい。また、特殊な装置であるため、イニシャルコストとメンテナンスコストが高い。
環境にやさしい「くろしお」外観
現在の使用冷媒は、R32(GWP=675)とR407E(GWP=1550)
これにより、システムのGWPは88%削減されている。
尚、R407Eは、将来発売が予測される新冷媒(R454A、GWP=239)が登場しても、
ほぼ1日で交換可能。これは当社独自の電子膨張弁を使用していることで実現できている。
進化型二元冷凍「くろしお」の特徴は以下のとおりとなる。